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職場でも家庭でも十分なコミュニケーションを…加藤恭輔氏

加藤さんは、公認会計士として大変お忙しい日々を送りながら、育児休業を取られました。
また、家族との時間を確保するために、ワーク・ライフバランスな働き方を実践されています。

今回は加藤さんが育児休業を取ろうとしたきっかけ、実際に育児を体験する中で気づいたこと、
育児休業を取るためのコツなどについてインタビューいたしました。

【コンテンツの目次】
1.育児休業を取られたきっかけ
2.時間管理の意識を変え、効率的な働き方に
3.育児を通して気づいた孤独とコミュニケーションの必要性
4.復帰をする際に不安や悩み
5.ワーク・ライフバランスの取れた生活をするために
6.編集後記

(WLB)まず、現在のご職業についてお聞かせ下さい。
(加藤さん)3年前に公認会計士の2次試験に合格し、中堅の監査法人に入所しました。現在もその監査法人で、会計監査や内部統制監査、株式公開支援等をしています。

(WLB)入所当初はどのような働き方をされていたのですか?
(加藤さん)入所当初は、ワーク・ライフバランスを考えずにひたすら働いていました。せっかく資格を取ったんだから、色々なことに挑戦してみたいと思い、通常の監査業務に加え、リクルートパンフレットの編集長やホームページのリニュアルオープンに関する業務、研修委員等にも立候補して仕事に打ち込み、時には3ヶ月間丸々土日も休まず仕事に没頭していた時期もありましたよ。でもその生活自体は自ら望んで行っていたことで、任せてくれた組織にも感謝してましたし、充実していましたね。

(WLB)そんな加藤さんが、「ワーク・ライフバランス」という言葉を知ったきっかけはなんでしょうか。
(加藤さん)社内の同僚でもある今の家内がある日、「自分がおばあちゃんになっても働ける組織にしたい。そのために必要な制度を確立する必要がある。」と切り出し、社内にワーク・ライフバランス委員会を設立する計画を持ち出してきたんです。それで、ワーク・ライフバランスっていう言葉や考え方を知りました。家内はその後、色々と勉強する中で小室さんの本に出会い、理解を深めました。最終的には統括代表社員にアポイントを取って計画を提案し、しばらくしてからワーク・ライフバランス委員会が正式に設立されることになります。

(WLB)きっかけは奥様だっんですね。
(加藤さん)ええ。当時私はまだ家内と付き合っていませんでしたが、監査法人にも行動力がある面白いヤツがいるもんだなぁと感じたのを覚えています。ただその時はまだ、正直な話、自分にはあまりかかわりの無い問題だと思っていました。意識が大きく変わったのは、月並みですが、子供を授かった時からですね。

(WLB)どんな風に変わりましたか?
(加藤さん)あらためて、自分の生き方、そして、一家の生き方をじっくりと見つめなおしました。その際に、なるべく固定概念を捨てて考えようと思ったのです。たとえば当時の私は、自分はずっと仕事一辺倒で働くものだと思ってましたが、よくよく考えてみれば、家内も同業者ですから、私と条件は同じなわけです。何の話し合いも無く家内が当たり前のように子育てに専念し、私は当たり前のように仕事を続けるのは不公平だと思うようになりました。そこで家内がどのような人生を望むのか、仕事と家庭のバランスをどのように保ちたいのか、時間をかけて確認しました。その結果、子供が産まれた直後の家族3人での生活のスタートは、家族3人みんなで一緒に過ごしたいという思いが強く芽生えました。
次に、自分の仕事環境やキャリアプランについて見つめなおしてみました。考える中で、この点でも、自分には固定概念があることに気づいたのです。激務と言われる監査法人の中で育児休暇を希望し、取得するなどという選択肢は考えてもいませんでしたが、よくよく考えてみれば、その前提や先入観ってなんだったんだろうって。
結局、育児休暇も取得して、普段もなるべく早く帰れるよう、効率的に仕事をこなせるようになるための勉強や、時間のメリハリを作れるようになるための勉強をしようと決めました。

(WLB)どのようにして育児休業を取られたのですか?
(加藤さん)まずは仕事を効率的にするための勉強をして、今の仕事のサイクルの中でも家庭での時間を確保できるように努めました。その結果、一定の効果は出ましたが、時間が空けば空くほど仕事というものは入ってきてしまうものです。加えてそれまでの私は、仕事があれば積極的に手を挙げていましたので、自分の事情が変わったからという理由ですぐにその調整をつけることは難しかったのです。「育児休業を取りたい」、「もっとチーム全体として効率的な仕事の仕方を追求したい」という思いを社内の様々な人に語り、相談しましたが、組織の事情もありうまく折り合いがつかず、考えた末、自分がこの職場を離れることが最善の方法ではないかと思い、転職せざるを得ないだろうと考えるようになります。

(WLB)そうだったのですか。でも加藤さんは結局、今の職場に残っていますよね。
(加藤さん)相談に乗ってくれた上司や同僚に、転職も視野に入れて相談をし始めた時、幸いにも今の上司であるマネージャーに、「自分たちのチームでちょうと欠員も出たし、君の考え方も尊重したいから、君さえよければ私のチームにこないか。」と誘っていただき、快諾したんです。後日そのマネージャーが統括代表社員に直接連絡をしてくれて、部署異動を行いました。そして育児休暇の申請を行い、子供が産まれてから1ヶ月間取得することができました。

(WLB)周囲の反応はどうでしたか?
(加藤さん)「よく取得できたね。」という反応がほとんどでしたね。特に社外の人からすごく驚かれました。私自身、紆余曲折あっての取得でしたのでそういった反応も理解できましたが、「育児休暇が法的に認められている」ということ自体の効力って、実際に働いている人にとってはほとんどないんじゃないかって思いましたね。実際には職場全体としての理解ある風土と、それを裏付ける具体的な制度の充実が不可欠だと感じました。

(WLB)「よく取得できたね。」という言葉には、どのような意味合いが込められていると感じましたか?
(加藤さん)物理的な意味合い(よく言い出せたね。あと、よく調整ついたね。)と精神的な意味合い(男はやっぱ仕事じゃないの。よく取る気になったね。)の両方が入っているように感じました。つまり、この2つの潜在的なハードルがあって、そのいずれも超えない限り、そもそも育児休暇を取得するなんて流れにならないんじゃないか、そして今の日本では、そのハードルがとても高いんではないか、と感じました。
実際、自分も妻のきっかけがなければ、そもそもワーク・ライフバランスなんて意識せず、仕事一辺倒で今もやっているように思いますしね。


(WLB) 異動されてから育児休業を取られる前はどのように仕事をされていたのですか?
(加藤さん) 部署異動をしてからは、部内の上司やメンバーとコミュニケーションを密に取ることで仕事にメリハリをつけられるようになりました。ちょうどその頃家内に切迫早産の危険性が出て入院することとなったので、集中して効率的に仕事を終わらせて、早く見舞いに行けるように働いていました。

(WLB) 効率的な働き方をする上で、特に工夫されていた点はどこでしょうか?
(加藤さん) 時間管理の意識はだいぶ変えました。
まず、朝出社前に自宅で今日一日のスケジュールとプロジェクト毎の進捗管理を、タイムマネジメント用に作成したオリジナルのリフィルに落とし込んで、時間濃度を濃くするよう計画を立てるようになりました。その結果、イレギュラーな会議や突発的な問題に対する対応を除いては、しっかりと定時で帰れるようにしました。タイトなスケジュールの時ほど、効率化が求められるので、細かく考えて予定を立てるようにしていますね。
また、泉正人さんの「『仕組み』仕事術」から学んだことなのですが、仕事を「考える系」と「作業系」に分けて、「作業系」はなるべく標準化して時間を減らし、「考える系」により多くの時間を注げるような仕組み作りを進めました。
あとは、監査業務はチームを組んで行うので、一人だけ効率的に働き、早く帰ろうとしても限界があります。加えて、私は現在、マネージャーの指示の下、チームメンバーの仕事を具体的にコントロールする立場にあるので、その立場上、自分だけ早く帰ることも難しい状況にあります。そこでチームレベルでのミーティングの際に、後輩にも自分が実戦している効率化のノウハウを「こういう考え方があるから参考にして欲しい」と積極的に伝達するようにしました。ただ、もちろんチームメンバー一人一人のワーク・ライフバランスは人それぞれですから、それを重視していきたいですね。たとえば入所したて時の私のように、仕事一辺倒で頑張りたいという人に、「何が何でも定時で帰れ」って押し付けるのは酷ですしね。そういった人にはとことん仕事をしてもらいたいと思います。ただそういったマインドの人にも作業系を減らして考える系を増やすためのアドバイスができればいいなと考えています。そうすれば、前向きな姿勢や努力が報われてもっと多くの経験が積めますしね。
そして、一つの仕事がひと段落すると、チームのメンバーに、私のマネジメントやチーム全体としての時間の使い方について、意見をもらうようにしています。こうしたやり取りを積み重ねることによって、チーム全体としての時間効率が高まると思います。後輩の意見は確かに全体が見えてない状態で発せられることが多いので、上に立つ人の中にはそういった意見に耳を貸したがらない人も多いと思うのですが、全体が見えてないというだけでそういった声を聞こうとしないのは、私はもったいないと思いますね。立場が違って、全体が見えにくいのは当たり前のことであって、それは所与として、目線が違う人がどう感じているかということを理解し、それを勘案して全体的な観点から落とし込んでいくことによって、自分が気づきもしなかった効率化の方法や情報共有の手段に出会える機会が増えてくると思います。

(WLB) 効率的な働き方のためにデッドラインを意識して一日の予定を立てるところや、働き方改革をチームへと広げていくところは弊社のコンサルティングの手法に非常に良く似ています。
(加藤さん)私の場合は試行錯誤で自分で作り上げていてまだまだ発展途上ですけど、具体的にパッケージ化されたプログラムがあって、それが導入される風土があれば、よりやりやすくなると思いますね。

(WLB)育児を通して初めて気づいたことなどはございますか?
(加藤さん)育児を通して、先入観と大きく異なっていたのは、一人で子育てをするのは思ったよりも「孤独」だということです。当たり前ですが、息子は生まれて間もないので、しゃべりませんし、話しかけてもほとんど反応しません。その上、おむつを換えて欲しいだとか、ミルク飲みたいだとか、何かとすぐ泣きます。そして眠りたい時でもまるでボディーブローのような夜泣きの連続。もちろん子供はそれが仕事なので、それが嫌だとか腹ただしいといったことはありません。むしろ、愛すべきことです。しかし、人間はコミュニケーションをまともに取れる相手が定期的にいないとストレスが蓄積されていってしまう気がするんです。
重要なのは、私がそれに気づいたのは、息子と一日中いる日がある程度連続した時だったということです。つまり、それが1日や2日のことならどうってことはないんですよ。大事なのは、それがずっと続いた時に、ストレスが知らず知らずのうちに蓄積していってしまうということです。これは育児休暇を取得せずに、休日だけ都合よく子供を見てリフレッシュしている程度ではおそらくは気づかなかっただろうということです。
しかし、世の中を考えると、毎日赤ちゃんと二人きりで過ごし、夫は終電で帰ってくるので話そうと思ってもすぐに寝てしまい、まともに話をする相手がいないという切ない環境でストレスを溜め込んでしまっているお母さんが多くいるのだろうと思います。
だから、自分は早く帰れる時は早く帰るようにしていて、なるべくそばにいるようにしています。私の場合は仕事のセキュリティレベルが高いので仕事を家に持ち帰ることはできませんが、極端な話、仕事が忙しい人であれば、仕事を持ち帰ってでも、夫が家にいて合間合間に家庭の話をするだけでも大分違ってくるのかなと思いますね。

(WLB)コミュニケーションを取れないというのは孤独を感じる大きな原因なのですね。
(加藤さん)そうでしょうね。育児の最初の時期を二人で迎えて、気持ちを理解するだけで全然違うと思いますね。そういった意味で、休業の期間は特に重要ではないと思います。育児休暇を取得する目的にもよりますが、極端な話、2週間でも十分だと思います。個人的には、まず、「いるということ」そして、「何気ない会話で良いので、コミュニケーションをとり、相手を理解する」ということが大事なのだと思います。もちろん、家庭によっては「家に帰ってくるのであれば、仕事は持ち帰らないで欲しい」というお母さんもいらっしゃるでしょうが、それもご家庭によりケースバイケース、コミュニケーションの問題だと思いますね。これという決まりきった答えはないんだと思います。


(WLB)いつから職場に復帰されるのでしょうか?
(加藤さん)本当はもっと長く取れるのですが、クライアントを担当したいという自分の希望で、取得し始めてから1ヵ月後には復帰する予定です。

(WLB)もうすぐですね。復帰に向けて不安はございますか?
(加藤さん)正直言って、ほとんどありません。物理的に休業期間が短かったこともあると思いますが、多分それが半年でも1年でも、あまり不安にはならなかったと思います。

(WLB)それはなぜでしょうか。
(加藤さん)信頼できるマネージャーと、理解あるメンバーに囲まれているからです。それが一番ですね。物理的な障害はたくさんありますが、そういった人の繋がりが、やはりどのような状況でも一番大切なんだと思います。

(WLB)物理的な障害とはどのようなものでしょうか。
(加藤さん)例えば、私たちは共働きを想定していますので、保育園のお迎えがあるのに、多くのクライアントを抱えられるのだろうかということや、復帰して、仕事に慣れながらも、同時に育児もしなければいけない状況をやっていけるのかということなど不安材料は多くあります。特に家内の場合は、職場に子供のいる専門職の女性が他にいないので、具体的なやりくりの方法を相談できる人もおらず、精神的な不安感も強いと思います。育児休業から復帰する際に、不安材料が多すぎて、復帰する勇気がでないという方の気持ちも分かりますね。ただ、そのような妻の働き方を支えるためにも、具体的なプランを考えていかなくてはいけないと思っています。たとえば、今話し合っているのは、私たちはクライアントの決算月をベースに仕事が割り振られますので、その決算月ごとにお迎えの担当を変えるとか、そういった細かなことを一つ一つ検討中です。
一概に家事や育児の負担を平等にすればいいという問題ではないと思っています。お互いが望んでいることはなんなのか、その段階での話し合いが十分になされていないと、いくら色々なことを犠牲にして平等であることを追求しても、お互いのストレスは高まるばかりになってしまうのではないでしょうか。お互いが納得できる落としどころを考えなければいけないのだと思います。その落としどころは、それぞれの家族で違うものだとは思いますが、コミュニケーションを取りながら、互いに理想の働き方ができることが一番重要なのだと思いますね。

(WLB)加藤さんは、育児休業を取られるまでに様々な課題を乗り越えられたはずなのに、苦労を感じさせない点が素晴らしいですね。
(加藤さん)おそらく、特別なことをしている意識がないからだと思います。子供ができてから今までの自分の行動の流れが、自分にとっては自然なものだったからじゃないでしょうか。

(WLB) ですが、日本社会では、ワーク・ライフバランスは未だに女性の概念だと思われていて、当然のことがあたかも特別なことのように思われているのですよね。
(加藤さん)そのようですね。ワーク・ライフバランスという考え方自体が正しく伝わっていない気がします。

(WLB)ワーク・ライフバランスの正しい理解を浸透させるのは、弊社の使命です。少しでも早く、多くの人に正しい理解をしていただけるよう尽力致します。
(加藤さん) ワーク・ライフバランスの取れた働き方をしようとすると、部下だけではなく、時には上司にも頭を下げて仕事をお願いしなければいけない時があります。その時に「そんなこと頼んだら、能力が低いと思われて査定が下がるのではないか?」と心配し、上司にお願いできない人も多いのではないでしょうか。
組織全体としての理解が深まるようなプログラムや、言い出しやすい風土が作られるようなコンサルティングをしていただけたらと思います。
それからもう一つ、具体的な有効策としては、「取得しやすい制度・仕組みをつくってしまう。」ということかなと考えています。つまり、「正当化できる手段、方法、ツールを社内に一つでも多く作っておいておく。」ということです。これこそまさに御社に期待することでもあるんですが、ワーク・ライクバランスをただ声高に主張しても、おそらく、クライアント先に抵抗感が残るだけではないでしょうか。もちろんそういった発信も大事ですが、具体的な落とし込みの段階では、社員やスタッフレベルの人間が、とにかく言い出しやすい環境や仕組みを作る。そういったワザも必要になってきます。
あとはその制度が、実際に使われてくることも大事ですね。すなわち、実績が作られること。せっかく制度ができても、誰もそれを使わないのでは、なかなか言い出すきっかけがなくなっちゃう。とりわけ、制度ができたすぐ後に子供ができた等その対象者となった人がどのようなアクションに出るのか、それが他の人に与える心理的影響は大きいのではないでしょうか。
例えば、制度ができてからすぐ後に対象者となった人達が立て続けに育児休暇を取得しなかったとすると、その後の対象者にも心理的な不安を与えてしまうのではないでしょうか。なにごとも最初が肝心なのかなと思います。

(WLB)最後に、育児休業取得を考えている男性にアドバイスをおねがいします。
(加藤さん)とにかく多くの人に相談してみることですね。それから、これが難しいのかもしれないけど、自分の意思は明確にすること。社内で「パパキャラ」をアピールすることも有効だと思います。
法的に保護されているということと実際に取得できることとの間には、実際に直面した人にとっては、現実には大きな距離があります。取得して上司や部下との関係がこじれないかどうか、円満に復帰できずポジションがなくなることがないかどうかなど、ネックとなるのはそういった精神的な部分ではないでしょうか。それをなるべく和らげるためには、より深い理解者を見つけることが大切です。特に直属の上司の考え方はその円満な取得に大きな影響を及ぼしますので、そのためにも、一人で悩まずに、周りに相談することが大事だと思います。
あとは仕事の効率化とメリハリですね。いくら環境が整っていても、根本としての自分の働き方が変わらなければ、結局何も変わりません。
いずれにしても、いろいろな要素が絡み合っていると思うので、これさえすれば良いというものではなく、その一つ一つをそれぞれ解決していかなければいけないのでしょうね。
仕事一辺倒ももちろん悪くないと思っています。私自身もかつてはそうでしたし、ワーク・ライフバランスという言葉が独り歩きし過ぎることで、そういう考え方を否定していまうのは、私としても本意ではありません。それが自分にとってのワーク・ライフバランスだというのであれば、ワーク・ライフバランスという言葉は、それを尊重すべきだと思います。
人生は一度きりしかありませんから、一瞬一瞬を大切にして、自分の思うように生きれば良いのではないでしょうか。

(WLB)今日は貴重なお話ありがとうございました。

今回のインタビューで最も印象的であったことは、「仕事一辺倒で働くものだ」と思われていた加藤さんが、ご自身の働き方を変えて育児休業を取られるまでにあったであろう様々な課題を、ごく自然な流れで乗り越えられているように思えたということです。
おそらくそこには「気づき」がヒントとしてあるように思います。最初にご自身の働き方に対する固定概念に疑問を感じた、気づき。誰かに指示をされたわけではなく、ご自身で課題に気がつき、それを解決されるための行動をとられていたからこそ、その後の多くの課題解決の体験を、「自分にとっては自然なものだったから」とご自身でも振り返られるのだろうと思います。

また今回のインタビューで最も重要なことのひとつとして、コミュニケーションの重要性があげられます。身につけられた効率化の工夫や仕事術を惜しみなくチームメンバーに共有。密でかつ双方向のコミュニケーションをとられることで、チーム全体の仕事の効率を少しずつ高められ、さらにお互いの理想的で多様性に富んだ働き方を目指されています。
真にワーク・ライフバランスを実現するために、人それぞれに応じたアクションプランを考えだすことが必要だという柔軟な発想をお持ちの加藤さん。インタビューは育児休業を取得する際のご経験を中心に伺ったものでしたが、そこにある要素のひとつひとつは、様々な人たちの、多様で広義のワーク・ライフバランス実現に向けた貴重なメッセージを含んでいます。